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ことばのうつくしい使い方。 

わたしの愛する書籍の一つ。
火垂るの墓。
冒頭に喚起を促すイマジネーショズム。

以下原文です(少しだけ)
省線三ノ宮構内浜側の、化粧タイル剥げ落ち
コンクリートむき出しの柱に、
背中を丸めてもたれかかり、床に尻をつき、
両足まっすぐ投げ出して、
さんざ陽に灼かれ、一月近く体も洗わぬのに、
清太の痩せこけた頰の色は、
ただ、青白く沈んでいて、
夜になれば昂ぶる心のおごりか、
山賊の如くかがり火焚き声高にののしる
男のシルエットをながめ、
朝には何事もなかったように学校へ向かう
カーキ色に白い風呂敷包みは
神戸第一中ランドセル背負ったは市立中学、
県一親和松蔭山手ともんぺ姿ながら
上はセーラー服のその襟の形を見分け、
そしてひっきりなしにかたわら
通り過ぎる脚の群の、気づかねばよしふと
異臭に眼をおとした者は、あわててとび跳ね
清太をさける。
清太には頭と鼻の便所へ這いずる力も、
すでになかった。


以上、野坂昭如さんの火垂るの墓より抜粋。
おしまい。
[2017/05/21 21:21] 本のこと。 | トラックバック(-) | コメント(-)
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